2019年の最新フラグシップモデル「ZenFone 6 ZS630KL」のレビューをお届けします。ASUSはスマートフォン市場で苦戦を強いられており、そこからの脱却を狙った超重要な戦略モデルの1つがこのZenFone 6です。
ASUSが今持てる技術をすべてつぎ込んだ集大成とも言えるスマートフォンに仕上がっています。
ZenFone 6 ZS630KLの主なスペック
- OS:Android 9 Pie with ZenUI 6
- CPU:Qualcomm Snapdragon 855
- ディスプレイ:6.4インチ(2340×1080)IPS液晶、ゴリラガラス6、画面占有率92%
- RAM:6GB / 8GB LPDDR4X
- 内部ストレージ:64GB / 128GB / 256GB UFS 2.1
- フリップカメラ(イン・アウト兼用)1:4800万画素、F1.79、IMX586、レーザーAF
- フリップカメラ(イン・アウト兼用)2:1300万画素、F2.4、125°ワイドアングル
- バッテリー容量:5000mAh
- サイズ:159.1×75.44×9.1mm
- 重さ:190g
- 充電:9V2A(18W)、Quick Charge 4.0
- SIM:デュアルSIM(microSD同時使用可能)
- その他:背面指紋センサー、イヤホンジャック、トリプルスロット、スマートキー、ステレオスピーカー、NFC、顔認証
ZenFone 6のグローバルにおける基本スペックです。国内モデル投入のあかつきには3キャリアへのVoLTE対応など、日本向けのローカライズが施されることでしょう。
「今の時代にまだ液晶ディスプレイ?背面指紋センサー?」と思った方もいらっしゃるかと思いますが、こここそがZenFone 6の個性と言えると思っています。詳しくは後述。
Snapdragon 855搭載でトップクラスのパフォーマンス
Antutuベンチマークテストの結果です。ZenFone独自の機能強化「AIブースト」をオンにするとスコアは38万点を超えました。Snapdragon 855はAndroidスマートフォンにおいて現在の最上位CPUです。その中でもZenFone 6はパフォーマンスを最大限発揮できるモデルの1つで、性能は折り紙つきと言えます。
実際に使ってみるともたつきは皆無。どんなシーンでもサクサク快適に動作してくれます。
5000mAhの大容量バッテリーで抜群の電池持ち
ハイパフォーマンスを維持すればその分電池消費も激しいわけですが、ZenFone 6は他社よりも大きな5000mAhの大容量バッテリーを搭載しています。
朝6時に充電器から外し、22時まで16時間使っても58%残っています。電池持ちも性能も妥協できない方にとって有力な選択肢の1つになりました。
私の利用シーンにおいてはどんな使い方をしても絶対に1日持つというレベルで、安心感が段違いです。
電池持ちを気にしなくていいというのは思った以上にストレスフリーになれます。日帰りの外出ならもうモバイルバッテリーを持ち歩く必要は無さそうですね。
190gの重さがネックか
高性能・大容量バッテリー搭載を実現した代わりに190gというヘビー級なボディに。iPhone Xs Maxが208gだったりと他にも似た重さの製品は存在しますが、それでもやっぱりずっしり感は否めません。
ハイエンドなのにトリプルスロットを搭載
ZenFone 6はデュアルSIMとmicroSDカードを同時に使用できる「トリプルスロット」を採用しています。一般的には低価格帯で多い仕様ですが、フラグシップモデルのZenFone 6でも使えるようになりました。
カメラスマホの選択肢に入るレベルに到達
購入するスマートフォンを選ぶ際に「カメラ」を重視する場合、ZenFoneシリーズは自ずと候補から外れるものでした。ZenFone 6ではようやく「条件次第では選択肢に入る」くらいのところまでは進化したように思います。
スマートフォンのカメラ競争においてASUSは「後ろの方から頑張って追いつこうとしている状態」ですが、ZenFone 6は今までとは違う、追いついたと言えば大げさですが「追いつこうと頑張っている」レベルにまでは成長しました。
関連記事:確かな進化を感じる「ZenFone 6 ZS630KL」カメラテスト(その1)
アウトカメラがインカメラを兼ねるフリップカメラを採用したことで、現時点で「世界一の自撮りカメラを搭載したスマートフォン」に上り詰めることができました。
使い込むほどに味が出る「ZenUI 6」のカスタマイズ性の高さ
従来から設定項目や機能が豊富だったZenUIはZenFone 6では最新の「ZenUI 6」に進化しました。ピュアAndroidに近い見た目と操作性を採用し、よりシンプルになりました。
一方で便利な機能やカスタマイズ性の高さは今までどおり。細かなところまで自分好みにどんどん弄れるのはZenUIを搭載したZenFoneシリーズの魅力の1つです。
スマートキー搭載で物理ボタンまでカスタマイズ可能に
ZenFoneシリーズに搭載されている「ZenUI」といえば機能が豊富でカスタマイズ性が高く、使い込むほどに便利になっていくというものでした。ZenFone 6に搭載された「ZenUI 6」でも基本的な部分はそのまま踏襲されていますが、ピュアAndroidのUIに近いデザインや操作性を再現しています。
さらに今回新たに「スマートキー」が搭載されました。音量ボタンの上に増えた物理ボタンで、デフォルトではGoogleアシスタントを起動できるというものですが、ここに機能を割り当てることが可能となっています。
関連記事:かゆいところに手が届くASUS ZenFone 6の「スマートキー」機能が便利!
ソフトウェアだけでなく物理的なボタンにまでカスタマイズの幅が広がり、ZenFone 6は今まで以上に「使い込むほどに便利になるスマートフォン」となりました。
省くところ・注力するところを見極めて完成したスマートフォン
大手メーカーが作るハイエンドスマートフォンでは有機ELディスプレイやディスプレイ内蔵型指紋センサーなど、トレンドと言える先進機能が搭載されることが当たり前です。一方のZenFone 6 は従来型のIPS液晶ディスプレイに背面指紋センサー搭載。大手と同じことをしても質でも量でも敵いません。そこでASUSは「よそとは違う視点」で攻めました。
こういった潔い選択はコストダウンに繋がり、その一方で5000mAhの大容量バッテリーやフリップカメラといった飛び道具を採用。競争力のある価格と他社には無い個性を手に入れました。
「急速充電の速度を追い求めるよりも18W程度に留めることで大容量の5000mAhを実現した」という話。今回のZenFone 6開発に関するASUSの姿勢がよくわかる例だと思います。
ZenFone 6はASUSがスマートフォン市場において生き残るために開発しました。今までとは力の入り方が違います。
日本でもそう遠くないうちに発表・発売されると思います。今夏のSIMフリースマートフォン要注目モデルの1つです。
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