一眼レフカメラの明るい単焦点レンズで撮影したような背景がしっかりボケて被写体が際立つ写真。最近ではスマートフォンでも画像処理を行うことで同じような演出が可能となりました。ZenFoneシリーズには「単焦点モード」や「ポートレートモード」として似た機能が搭載されています。それぞれ仕様が異なるので違いや特徴を紹介します。
シングルカメラで動作する「単焦点モード」
従来のZenFoneシリーズに搭載されている機能です。撮影を二度行い、それぞれでピントをずらし被写体以外の部分をぼかす処理を行います。
メリット:どんな被写体でも使える
シングルカメラで行え、低価格帯モデルから実装できます。また、被写体を選ばず人物や食べ物など何にでも使える機能です。
デメリット:撮影に時間がかかる
2回撮影する際には合焦も再度行います。合成処理も含めると結構な時間がかかり、動く被写体には不向きです。
デュアルカメラで奥行きを検知する「ポートレートモード」
2つのカメラを用いて空間を認識し、被写体と背景部分を分けてぼかす処理を行います。現在の主流がこちら。
ZenFoneシリーズにおいてはデュアルカメラの構成が複数存在し、それぞれで同様にポートレートモードが利用できます。
デュアルカメラを利用したポートレートモード対応機種の一例
ZenFone 6 ZS630KL(広角+超広角)
ZenFone Max Pro M2 ZB631KL(広角+深度測定用サブ)
ZenFone Zoom S ZE553KL(望遠+広角)
メリット:短時間で撮影でき、ボケ具合も調整可能
撮影は1回のシャッターで終了します。リアルタイムにボケ具合が確認でき、効き具合も調整可能です。被写体も選びません。
デメリット:カメラ構成によっては画角が限定される
ZenFone Zoom SとZenFone 4 Proは片方が望遠カメラなので一般的な広角カメラよりも狭い画角でしか撮影できません。
シングルカメラで顔認識する「ポートレートモード」
ZenFone 4シリーズから搭載されている新しいカメラアプリに入っている新機能のポートレートモードです。被写体の顔を認識して背景ボケを発生させます。
ZenFone 4 ZE554KLなどデュアルカメラでありながら片方のカメラのみを用いたポートレートモードを搭載しています。
メリット:シングルカメラで素早く撮影可能
撮影は1回のみ。画像処理はありますが単焦点モードよりも短時間で済みます。インカメラでも使えるので利用シーンの幅が広がります。
デメリット:被写体は人物限定
被写体の顔を認識する必要があるため食べ物などの撮影には使えません。また、ソフト処理のみのボケ演出なので被写体と背景の境目が曖昧になる場合なども出てきます。