2023年7月21日、ASUS JAPANはゲーミングスマホ「ROG Phone 7」および「ROG Phone 7 Ultimate」を発表しました。7月21日発売です。当ブログではROG Phone 7 Ultimateを事前にお借りして試用する機会をいただきましたのでレビューを掲載します。
ROG Phone 7 Ultimateの主なスペック
- OS:Android 13(ROG UI)
- CPU:クアルコム Snapdragon 8 Gen 2
- ディスプレイ:6.78インチ(2440×1080)有機EL、165Hz
- RAM:LPDDR5X 16GB
- 内部ストレージ:UFS4.0 512GB
- アウトカメラ(広角):5000万画素、F1.9、換算23.8mm、IMX766、1/1.56インチセンサー、PDAF
- アウトカメラ(超広角):1300万画素、F2.2、換算12.5mm、OmniVision OV13B、AF非搭載
- アウトカメラ(マクロ):500万画素、F2.0、換算23.6mm、AF非搭載
- インカメラ:3200万画素、F2.4、換算29.4mm、 OmniVision OV32C、AF非搭載
- バッテリー容量:6000mAh
- 急速充電:ASUS HyperChage 65W、QC5 30W、USB PD 30W
- サイズ:高さ173mm×幅77mm×奥行き10.3mm
- 重さ:246g
- その他:Wi-Fi 7、IP54、5G n79対応
ゲームプレイに特化したハイスペックな「ゲーミングスマホ」として生を受けたROG Phoneも今年で7代目となりました。コンセプトは初代の時点で確立され、モデルチェンジのたびに最新SoCと新たな機能やギミックを搭載して登場してきました。
ROG Phone 7 Ultimateは日本市場向けとして初めて冷却ギミック「AeroActive Portal」を搭載します。
さらにIP54の防水防塵にも対応。後述する背面パネルの開口ギミックがあるにも関わらず防水化を実現しています。
Zenfone シリーズでは未だ実現していないn79への対応ですが、ROG Phone シリーズでは5G対応となった当初から継続して対応しています。
ROG Phone 7 Ultimateのパッケージと付属品
ROG Phone シリーズは化粧箱からこだわりが強く、今年もボリューミーなパッケージ。パッケージの一部はセットアップ時に特別な体験ができるクレードルの役割も果たします。
ROG Phone 7 UltimateにはAeroActive Cooler 7が同梱されます。最近では同梱品から省かれつつある充電器は65Wの出力に対応し、USB-Cケーブルは柔らかく取り回し良好なナイロン編組。付属品だからって安っぽいものは入っていません。
ROG Phone 7 Ultimateの外観
特徴的な背面は現在のROGブランドに通じるSF的なデザイン。カラーでアニメーション表示が可能な「ROG Vision」と、AeroActive Cooler 7装着時に開いて冷却能力を高める「AeroActive Portal」が確認できます。
右側面(横持ち時は上部)は一般的な配置の音量ボタンと電源ボタン。両サイドにタッチ式のLRトリガー「AirTrigger」を搭載しています。
左側面(横持ち時は下部)はSIMトレイ、USB-Cポート、ポゴピンを搭載。ROG Phone 7/7 Ultimateには2箇所にUSB-Cポートを備えます。こちらは横持ち時に邪魔になりにくい他、AeroActive Cooler 7への電力供給にも用います。
上部と下部。下部にはもうひとつのUSB-Cポートとイヤホンジャックを搭載。音の遅延にシビアなゲームをプレイする際にはイヤホンジャックが役に立つことでしょう。
付属のケース「Aero Case」。クーラーやROG Vision、LRTトリガーとの干渉を避ける必要があるため大幅な肉抜きが施された結果、保護面積が大幅に減りました。
ROG Vision
ROG Phone 7 Ultimate特有の機能のひとつがROG Visionです。背面にカラー表示可能なサブディスプレイを搭載。画像やアニメーションを表示させることでRGBライティングの先を行きます。充電中や着信通知などをアニメーション表示することも可能で、実用的な使い方も提案されています。
AeroActive Cooler 7
ROG Phone 7 シリーズに最適化された最新の外付けクーラー。大型ファンが発生させるエアフローは背面だけでなく前面側にも回り込んでタッチパネルも冷やし、指での操作の不快感を軽減します。
空冷だけでなくペルチェ素子も搭載し、空冷では実現できない強力な冷却能力を持ちます。
内蔵キックスタンドによって自立。今年の進化ポイントはサブウーファーの搭載です。ROG Phone シリーズはフロントステレオスピーカーの音量・音質で評判が良かったのですが、AeroActive Cooler 7に外付けサブウーファー機能を持たせることで低音を強化してきました。
左右それぞれに物理ボタンを2つずつ備え、冷却・音響・操作性を向上させられるアクセサリーに進化しました。
AeroActive Cooler 7の持ち運びに便利なポーチも付属します。
AeroActive Cooler 6も使える
ペルチェ素子を用いた冷却機能を備えた先代ROG Phone 6向けのAeroActive Cooler 6も互換性があり使用できます。
パフォーマンス低下を防ぐ圧倒的な冷却能力
ROG Phone 7 Ultimate+AeroActive Cooler 7の組み合わせの魅力は瞬間火力ではなく、高いパフォーマンスを長時間持続させられるところにあると思います。ベンチマークアプリのAnTuTuを立て続けに4回実施した結果です。ピーク時の温度は39度台で、40度を超えることはありませんでした。スコア低下も1%未満です。
ただしこの条件を満たすために急速充電への接続は必須です。これによってAeroActive Cooler 7の冷却モード「フロスト」が解禁されます。スマホとしての携帯性を犠牲にしてでもパフォーマンスを重視する姿勢にROGらしさを感じます。
ROG Phone 7 Ultimateのプリインストールアプリ
初回セットアップ直後のホーム画面です。セットアップ時の体験で解禁されたテーマパックが適用されているのでアプリアイコンや壁紙が変わっています。
プリインストールアプリは37個ですが、多くがアンインストールできます。
可能な限りアンインストールを実施するとアプリ数は27個まで減らせました。なお、長年プリインストールされていた文字入力アプリ「ATOK for ASUS」はROG Phone 6から非搭載となりました。
数合わせのようなマクロカメラ
カメラ構成はROG Phone 6から据え置きです。それはまあ良いんですけど、あいも変わらずマクロカメラを搭載しています。500万画素でAF非搭載。これ要りますか?「トリプルカメラじゃないと格好がつかないから数合わせで付けました」としか思えないんです。寄って撮るならメインカメラのデジタルズームの方が寄れるし、綺麗だし。10万円を超えるスマホに搭載するグレードのカメラではありません。
ゲーミングスマホは快適にゲームがプレイできることが第一なので、カメラにリソースを割きにくいというのは理解できます。それならいっそマクロカメラなんて非搭載にして、デュアルカメラで良いじゃないですか。空いたスペースでバッテリー容量増やした方が喜ばれそうだし。マクロカメラを載せてトリプルカメラにする構成はROG Phone 3の頃から続いてて、未だにその姿勢が変わってないのは残念でなりません。
AeroActive Cooler 7の単体販売が無い
AeroActive Cooler 7はROG Phone 7 Ultimateに付属するのみで、単体販売がありません。ROG Phone 7購入者はAeroActive Cooler 7を入手する手段がありませんのでご注意ください。どうしてもクーラーを使用したい場合は互換性のあるAeroActive Cooler 6を購入するしかありません。
ROG Phone 6対応アクセサリーとの互換性
AeroActive Cooler 6以外にもROG Phone 6向けのアクセサリーが流用できます。
メジャーアップデートを2回実施
OSバージョンアップを含むメジャーアップデートを最大2回。セキュリティパッチ更新を4年間実施するとアナウンスしています。ハイエンドスマホにおいてこのアップデート保証の内容はちょっと寂しいところ。欲を言えばメジャーアップデートは3回以上、セキュリティ更新は5年は継続してほしいと思います。
ROG Phoneはどこへ向かう?
今年で6世代目(4が欠番のため)。目新しい機能はすでに出し尽くしていて、ROG Phone 7/7 Ultimateもマイナーチェンジの色が強いスマホです。成熟しきっていて完成度は非常に高い一方で、のびしろを見出しづらい状況です。ゲーミングへのこだわりはしっかり感じ取れますし、ROG Phoneならではの体験も盛り込まれているのですが、いかんせん新鮮味が薄い。
背面に丸みをもたせた筐体の形状もスマホのトレンド的にはすでに古臭いものですし、ゲームのしやすさと両立させた新機軸を期待したいところ。Zenfoneは9で一気に垢抜けました。ROG Phoneも一度大きくイメージを変えても良いんじゃないかと思います。
ROGとしてゲームに妥協してもらいたくありませんが、スマホとしての機能や基本的な使いやすさをどこまで両立させるか。このバランス感覚はとても大事だと思います。ROG Phoneはサブ機なのか、いやいやメインの1台持ちができるオールラウンダーなのか。これからどの道に進むのでしょうか。
ROG Phone 7 シリーズのラインアップと価格
ROG Phone 7(12GB/256GB):12万9800円
ASUS Store リンク:ROG Phone 7 (ROG7-BK12R256)
ROG Phone 7(16GB/512GB):14万9800円
ASUS Store リンク:ROG Phone 7 (ROG7-BK16R512)
ROG Phone 7 Ultimate(16GB/512GB):17万9800円
AeroActive Cooler 7が付属します。
ASUS Store リンク:ROG Phone 7 Ultimate (ROG7U-WH16R512)
AeroActive Cooler 6:1万2480円
ROG Phone 7と組み合わせる場合はこちらを購入してください。
ASUS Store リンク:AeroActive Cooler 6 (ROG6_AEROACTIVE)
ROG Phone 7/6 Series 用保護フィルム :3480円
ASUS Store リンク:ROG Phone 7/6 Series 用保護フィルム (ROG7_SCREEN_GLASS)