ASUSは主要な製造拠点を中国からインドに移す計画を発表したと複数のメディアが報じています。この計画はインド政府が導入した生産連動型優遇策(PLIスキーム)を活用するものとなっています。
インド市場に活路
中国、欧米の景気後退減速に直面する中で、インド市場の需要が大きく拡大することを予測しての計画としています。
インド チェンナイに製造施設を設立 Flexと提携
インド国内チェンナイに新たな製造施設を設立する予定で、シンガポール企業のEMS「Flex」を製造委託先としています。Flexは鴻海精密工業(フォックスコン)に次ぐ世界2位のEMSです。
ASUSは製造部門を持たない(ファブレス)メーカーです。そのため代わりに製造を行ってくれるEMSに業務を委託して製品を生産しています。ちなみにASUSが過去に持っていた製造部門は現在ペガトロンとして独立した企業となっています。
ASUSアジア太平洋システムビジネスユニット ゼネラルマネージャーのピーター・チェン氏はインド市場への同社の献身を表明。「ASUSはインドで最も急成長しているノートパソコンブランドの1つであり、当社は今後、事業規模の拡大と市場の潜在性に合わせて、インドでの製品ラインアップと事業を拡大していく」と述べています。
現在は80%を中国に依存
ASUSは現在、生産の約80%を中国から調達。次いで台湾、ブラジル、ヨーロッパ、インドネシアから調達しています。PLIスキームの導入により今後数年でインドがASUSにとって世界2位~3位の製造拠点となる見込みです。
中国依存のリスク軽減
米中貿易戦争の渦中で中国依存のリスクが高まっていることもあり、数年前から中国への依存度を減らしていく動きがありました。そこにインド政府によるの優遇策の導入。ASUSの中国への依存度は着実に低下するでしょう。
情報元・引用:TFIPOST
参考:主要10分野で生産連動型優遇策(PLI)を導入 | ジェトロ / メイク・イン・インディアの成果に夜明け?(インド) | ジェトロ