2025年5月28日、ASUS JAPANは新製品スマホ「Zenfone 12 Ultra」を発表しました。5月30日に発売します。
当ブログでは一足先にお借りして試用する機会をいただきました。
Zenfone 12 Ultraはこんなスマホ
Zenfone 12 UltraはASUSのフラッグシップスマホ。最新のSnapdragon 8 Eliteチップを搭載したハイエンドモデルで、AI機能とカメラ性能が大幅に強化されたモデルです。
このカラーはセージグリーン。今回は3色展開でエボニーブラック/セージグリーン/サクラホワイトが用意されています。どれも柔らかい印象のあるカラーで、メカメカしさやガジェット感は薄め。
Zenfone 11 Ultraと比較
先代モデルであるZenfone 11 Ultraと並べてみるとこんな感じ。サイズは基本的に同じですが、カメラ周りのデザインが変わったためケースは流用できません。Zenfone 11 Ultraがブラックなのでわかりにくいですが、カメラバンプもボディ同色となり端末全体の統一感というか一体感が増しました。
カメラバンプの出っ張りは気になるところ。細かい部分だとメインカメラのレンズ周りの仕様が変わってフラットになりました。
カメラは微強化
メインの広角カメラはイメージセンサーを更新し、Lytia 700を搭載しました。ただしセンサーサイズは先代から変わらず1/1.56インチで、出力される画にもそれほど劇的な進化は感じられません。
メインカメラに付属するジンバルもバージョンアップ。ブレ補正性能が強化されました。静止画撮影でもOISとして機能し、美術館のような薄暗い場所でも手ブレ知らず。
発色は素直で、個性的な画作りなどは行わないためレタッチしやすそうです。
望遠カメラはおおよそ光学3倍。OIS搭載のため手ブレには強いですが、AF速度が遅めなのが気になりました。
こちらも望遠カメラ。もう少しパキっと写ってもいいかなと感じました。レタッチでコントラストを上げても良いかもしれません。
望遠カメラとデジタルズームを組み合わせて最大30倍のズームが可能です。かなり無理をしている感じがありますし、AIよって処理するため文字などを写すと崩れることもありました。基本的には10倍未満での使用が妥当だと思います。
ASUS独自のAI機能を搭載
昨今盛り上がりを見せているAI機能ですが、Zenfone 12 UltraではAndroid標準(Google純正のGemini)の他にASUS独自のAI機能を搭載しています。
「AI記事の要約」が便利
その中でもベータ版としてインストールされている独自アプリ「AI記事の要約」が便利です。Chromeでウェブ上の記事を表示し、「AI記事の要約」へ共有をかけると数秒で記事内容を簡潔にまとめてくれます。記事内容をじっくり読み込むのも大事ですが、要約して大事な情報をピックアップしてくれるのはありがたいですし、なにより操作が簡単に行えるのがいい感じ。要約自体は一般的なチャットAIでも可能ですが、この使い勝手なら日常的に触ろうという気になります。
オンデバイスでプライバシー配慮
AIに情報を読み込ませる際に個人情報が気になる場合もあるかと思います。そういったシーンでは通信を行わずZenfone 12 Ultraの内部で処理を完結するモード(オンデバイスAI)も選べます。プライバシーに配慮した使い方ができるのがオンデバイスAIの魅力です。
ただしオンデバイスにすると結構時間がかかります。先ほどの記事要約の場合、クラウドAIなら3秒のところ、オンデバイスAIだと48秒と表示されました。さすがに待たされる感が強く、日常使いはクラウドAIにして、個人情報を取り扱うときだけオンデバイスAIに切り替えるといった工夫が必要になりそうです。
超大手のAIと住み分けて共存できるよう工夫されている
ChatGPTやGoogle Geminiなどの大手AIは日進月歩でどんどん性能が上がっています。それらと競合するようなAI機能を載せても勝ち目はありません。ASUSが独自に搭載するAI機能はGeminiの邪魔をせず、Geminiが居ない場所を突いていて、共存できるように活躍する場面をうまく住み分けています。
ただし例外もあり、ギャラリーアプリ内には「AI消しゴム」という機能があり、これはまさにGoogleフォトの消しゴムマジックと同じようなものとなっています。
着実に浸透するAIを体験できるスマホ
Zenfone 11 UltraでもAI機能を推していましたが、この1年でさらに日常的になったというか、AIを使うことが日常により浸透してきたように感じます。私自身もGoogle GeminiやPerplexityは手放せない存在ですし、もう少しすると「AIを使っている」という感覚すらなくなって、当たり前のものになってくるのでしょう。
Zenfone 12 Ultraでは「AI機能を先取りする」ところから一歩進んで、良い意味で「普通に使う」ことを目指しているように感じました。AIって特別じゃなくて、もう普通に使えるんだよっていう世界観を感じられました。
この先は「AIを使う」ということを感じさせないところまで行くのでしょう。スマホの名称から「5G」が取り払われたように、近い将来にはAIを謳わずとも、当たり前にAIが搭載され、それを実感することなく活用する時代が来るのだと思います。今はそれの数歩手前でしょうか。
ハードウェアに光るものがほしい
明るくて大画面なディスプレイは視認性も良好。性能文句なしのハイエンドプロセッサー。ZenUIは機能豊富でカスタマイズ性も高く、使い心地も抜群です。
すごい!ってほどじゃないけど十分綺麗に撮れるカメラ。さらには防水におサイフケータイにバンドn79対応に、なんでもできる、なんでもこなせる優等生ですが、何か1つ、1つだけで良いので尖った要素が欲しかった。
やっぱりハードウェアの魅力は絶大で、一番に目を引くポイントです。ZenFone 7のようなフリップカメラだったり、Zenfone 10みたいなコンパクトなサイズだったり、歴代ASUSスマホは何かしらのハードウェアの武器を持っていました。わかりやすく、キャッチーで、話題にも上がりやすい。賛否分かれるポイントになったとしても、ハマる方には「これじゃないとダメ」と思わせるほどの熱狂を生みます。
ネーミングにおいてもあえてZenfone 12 "Ultra"と名乗っているわけです。ウルトラってやっぱり特別じゃないですか。単純にハイエンドなだけじゃなく、ASUSのZenfoneじゃないとできない「何か特別な要素」を加えてほしいなと思いました。
アップデート回数が少し向上
アップデート保証回数ですが、メジャーアップデートが2回(Android 17まで)、セキュリティ更新が5年間(2030年まで)となりました。
メジャーアップデートは変わらず2回ですが、セキュリティはしっかり保たれるため、とりあえず長く使って安心できそうです。
充電器付属しません
Zenfone 12 UltraにはACアダプターが付属しません。最大65Wの急速充電に対応していますが、従来どおりであればASUS独自のHyperCharge規格ですので、ASUS純正充電器が必要になります。USB PD充電器では最大30W出力になると思われます。
Zenfone 12 Ultra 価格表
製品名 | 型番 | 価格 |
---|---|---|
Zenfone 12 Ultra (ブラック) | ZF12U-BK12S256 | ¥149,800 |
Zenfone 12 Ultra (ブラック) | ZF12U-BK16S512 | ¥169,800 |
Zenfone 12 Ultra (セージグリーン) | ZF12U-GR12S256 | ¥149,800 |
Zenfone 12 Ultra (セージグリーン) | ZF12U-GR16S512 | ¥169,800 |
Zenfone 12 Ultra (サクラホワイト) | ZF12U-WH12S256 | ¥149,800 |
Zenfone 12 Ultra (サクラホワイト) | ZF12U-WH16S512 | ¥169,800 |
Zenfone 12 Ultra Antibacterial Glass Screen Protector | ZF12U_SCREEN_GLASS | ¥3,480 |
12GB/256GBと16GB/512GBの容量の異なるバリエーションが用意されています。どちらもカラバリは3色展開です。同時に純正ガラスフィルムも販売されます。
Zenfone 12 Ultraの主なスペック
項目 | 仕様 |
---|---|
カラー | エボニーブラック/セージグリーン/サクラホワイト |
サイズ・重さ | 高さ163.8mm×幅77mm×奥行き8.9mm 220g |
SoC | Qualcomm Snapdragon 8 Elite |
RAM/ストレージ | LPDDR5X 16GB/12GB UFS4.0 512GB/256GB |
ディスプレイ | 6.78インチ FHD+(2400x1080) LTPO AMOLED 1~120Hz(最大144Hz) コーニング ゴリラガラス Victus 2 |
背面カメラ |
広角 5000万画素、換算23.8mm、F1.9 ソニー Lytia 700、1/1.56インチ 6軸ハイブリッドジンバルスタビライザー4.0 超広角 1300万画素、換算12.7mm、F2.2 望遠 3200万画素、換算65.3mm、F2.4 OIS、超解像10倍ズーム、最大30倍ズーム |
前面カメラ | 3200万画素、換算22mm、F2.0、RGBWセンサー |
オーディオ | デュアルステレオスピーカー |
SIMカード | nanoSIM+nanoSIM(eSIM対応) |
バッテリー・充電 |
5500mAh ・65W急速充電(Quick Charge 5.0/USB PD 3.0) ・15W Qi ワイヤレス充電 |
特記 |
Wi-Fi 7(be) 防水防塵 IP65/IP68 おサイフケータイ 5Gバンドn79 3.5mmイヤホンジャック |
AI機能 |
・生成AI AIドキュメント要約 AI記事の要約 AI通話翻訳 AI壁紙 AI文字起こし ・システム系AI かこって検索 写真・画像の検索機能 設定内の検索機能 アプリの検索機能 ・カメラ系AI AIトラッキング AIピンボケ補正 AI流し撮り AI消しゴム ドキュメントキャプチャー ポートレート動画 |
付属品 |
USB-CtoCケーブル SIMイジェクトピン 専用ケース ユーザーマニュアル |